神奈川県茅ヶ崎市内にある�詁�置工業所(日置喬社長、58歳、資本金1000万円、従業員11名、売上高約1億7千万円)は会社としては昭和33年(1958)設立ですが、終戦後の昭和23年(1948)先代と現社長が2人3脚で、生活のため民家の軒先を借りて工場とし、市内で創業。当時はリアカーの修理などを手掛け、次第に領域を広げてきました。そして現在の矢畑工業団地へ移転したのは昭和54年(1979)ですが、高度経済成長の下、その頃から下水道整備が進み、当社も公共下水道関連事業に進出、特殊な分野での専門加工業という今日の地位を確保してきました。創業以来60年近く経過しています。
主力製品は下水道管(ヒューム管)の外部補強用の円形大型管です。厚さ 4.5〜25�个療竿弔魃澤舛剖覆押�合わせ目を溶接し、ヒューム管との間隔を 3.5�个吠櫃弔里�ノウハウです。出来上がり直径は 250〜3000�个搬腓�さも多様です。ロールマシンを使い、真円を出すのが永年の経験とコツの蓄積です。とりわけ工事現場からの特急製作依頼が多く、電話での内容を当社で図面に落とし、1日、2日で仕上げるという作業は他に追随を許しません。精度アップのための独自の治具の活用が当社の強みとなっています。
市場エリアは関東一円の他、長野県や新潟県にまで及びます。製作能力を買われ、平成4年(1992)には川崎市下水道局の「軟弱粘土地盤における同心円刃口推進工法」の実験に参加しました。湾岸工事や斜面工事に必要な技術です。規模は小さくとも隠れた技術加工型企業です。
近年は工事作業用の立て坑を確保する大型管や、環境対応の新たなゴミ焼却炉・高層ビル・船舶関連機器部品などの用途も増加しつつあります。また輸出用建設機械に使用する円形部品も需要が急増しており、精密加工力が試されています。
しかし従来のロールマシンの能力では標準加工厚さが16�个如�25�舒幣紊任惑塾鷲埖�であり、また新たな大径管への対応や精度アップには十分応えられません。そこで一段上のロールマシンを導入し、マシンに合わせた治具の開発、さらに加工データのコンピュータ活用による蓄積を図り、一層の科学的データ処理を目指すこととしています。また加工時間の短縮によるコスト低減効果も見逃せません。
公共下水道関連事業が縮小しつつある状況下で、新たな新分野への進出が重要です。昨年は豪雪が話題になりましたが、融雪管に使用する関連機器の試作開発や、宇宙関連機器への挑戦なども検討しています。
当社の強みは短納期に対応出来るということで、また若手社員も入社しています。現社長の後継者として他社に3年勤めていた息子の博之氏(31歳)が、戻って専務取締役に就任したのも明るい話題です。これまで特殊な業界内だけで動いていたため、あまり外部との接触が多くありませんでした。この度「経営革新計画」の承認を機会に行政との付き合いや、他業界との接触、若手経営者との交流を目指し体質改善を図ることとしています。やはり当面の事業の推進だけでは将来を見据えると不安です。自社の加工技術がどんな方面に役立つのか、様々な分野との交流や研究が不可欠です。自社の強みや役割をしっかりとした路線に乗せ、従業員ともども、将来性のある経営戦略を構築し、加工技術のさらなる向上を目指す必要があります。
今後の一大戦略として、自社の加工技術を例えば「日置式加工ノウハウ」としてブランド化を図ることが重要です。付加価値のある加工技術として客先にも認知してもらい、当社もさらなる磨きを掛けるということです。社名も今や貴重な有限会社ですが、簡略化して呼ばれやすい名称も検討すべきでしょう。「ヒオキ」などなど。
町工場が後継者不足で次々に消えていく中で、3代目の候補がいることは大変重要な経営資源です。現社長も思い切った戦略に打って出ることが出来ます。事業歴は長いですが、将来性のある会社です。
|